ふくしまきんにくせいかつぶろぐ

きんにくまいすたーへの みちのりは まだまだつづく

温暖化シナリオ

温暖化のシミュレーションに用いられる温室効果ガス等の排出シナリオは複数ある。

 

IS92a

1990年代前半までは、1985年のデータを基礎にしたIS92a(IS92a~fがある)と呼ばれるシナリオを前提としていたものが多かった。これは二酸化炭素濃度が年間およそ1%複利で増加することに対応する。しかし、1990年以降の社会変化を考慮していないなど問題があった。[*1*2*3]

 

SRES

その後、2001年に IPCCとしてのプロジェクトチームが作成した、排出シナリオに関する特別報告書(Special Report on Emission Scenarios, SRES)によるSRESシナリオが用いられるようになった。

このシナリオは、今よりも豊かになる4つの異なった発展方向を示す叙述的シナリオ(ストーリーライン)の上に作られており、政府主導の温暖化の緩和策を採る事は含んでいない。

具体的には、

  • A1 : 高成長社会(通常はA1B、種々のエネルギーシステム技術革新がバランス)
  • A2 : 多元化社会
  • B1 : 持続発展型社会
  • B2 : 地域共存型社会

に大別される。

2050年の予測ではおよそ、B1=B2<A1=A2

2100年ではB1<A1=B2<A2となる。

しかし、前述のように、緩和策による効果を含んでおらず、目標設計する際に問題があった。

[上記1,3,*4]

 

RCP

そこで、AR5(Fifth Assessment Report)では政策的な緩和策を前提とし、温室効果ガス安定化レベルと経路を複数用意し、それぞれの気候予測とその濃度経路を実現する社会経済シナリオを策定できる、代表濃度経路(Representative Concentration Pathways, RCP)シナリオが用いられている。

RCPシナリオには代表的な4つのシナリオがある。

  • RCP8.5
  • RCP6.0
  • RCP4.5
  • RCP2.6

数値は放射強制力 W/m^2 を表し、数値が高いほど地表を暖める効果が高い。[*5*6*7]